「シニア生きがい活動」推進会議「設立趣意書」

2,000万人の「シニア・アクティブ」(60歳〜74歳)の「生きがい」対策
日本の「AARP」(全米退職者協会−会員数3,600万人)をめざす

日本は少子高齢化が進み、世界一の長寿国となっています。60歳以上の人口は国民の30%に迫っており、今や60歳以上の人々が社会の主体になりつつあります。
その上、来年から「団塊世代」750万人の退職が始まります。
一方、国民の総金融資産850兆円(一説には1400兆円)の75%以上をこの世代の人々が所有しており、平均所有預金額3000万円と言われ、1億円以上の現金所有者は134万人と言われています。また「年金の支給額」も現在はある程度達成されており、経済的には豊かな世代となっています。

しかし一方ではこの世代への「生きがい活動」対応が遅れ、ややもすると「年金」「社会保障」「介護制度」等のみが注目されて、「アクティブ世代」(60歳から74歳)ではなく、その先の「ユニバーサル世代」(75歳から生涯)に対応した国の政策が集中しています。
その結果、まだ活動出来る「60歳〜74歳」の世代に「生きがい活動」のチャンスが用意されていないのが現状です。この世代はまだ体力がある時代です。
しかも再就職もかなわず、家庭内で日々悶々と過ごすのが現実です。ややもすると家族にも疎んじられ、「企業勤務時代」のような他人との接触も少なく、部下から敬われたり、取引先から期待されることもなく、声を掛けてくれる人もなく、目的もなく、気力が益々失われています。
年功序列の日本社会では、昔の職場も新しい上司への気兼ねから社員の接触も困難であり、その結果、上記「資産」を充分所有していても、「社会保障」を充分受けていても、「幸福」でなかったり、「満足」していない場合が多いのが現実です。

「高齢者」は「ボランティア活動」に取り組めば良い等の声があっても、現実は「道路掃除」であったり、小学生の「通学誘導」等に限られています。
夫婦でその思いを募らせ、離婚の原因となっているとも言われています。
果たして60歳以上の人達で、「朝起きるのが待ち遠しい」として、生き生きした輝く人生を送っている人は何人いるでしょうか。彼等は「華やかで」「緊張した」日々を期待するもので、月に何回か着慣れた背広に手を通し、夫人は揃えたドレスやアクセサリーで身を飾れる場所に出てみたいとの欲求は強いと聞いています。そのことこそ「若返り」の秘訣でもあります。その思いはまだ元気な女性に特に強いようです。
「高齢者」について一般人が考える時、現役の自分の立場や環境から考えがちで、物質的な充実感(衣食住の充実)を提供されれば満足するだろうと誤解されています。
しかし彼等の一番の悩みは「寂しさ」であり、自分の「存在感」を確立したいという要求です。それは「プライド」「名誉心」「存在感」であり、「自己実現」である。すなわち「モチベーション」の確立です。

NEXT